活動履歴 | |||||
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建築士、弁護士、研究者らによって1996年に設立された欠陥住宅被害全国連絡協議会は、現在、北海道から九州まで12の地域ネット、会員約1000名の任意団体であり、年2回の全国大会を開催すると共に例年全国一斉に「欠陥住宅110番」を実施しています。
【第47回全国大会】
今回の全国大会は来年25年になる「阪神淡路大震災25年目の総括」を主なテーマとして設定されました。
第1日目の特別講演として、千葉大学名誉教授で弁護士の丸山英氣先生による、マンション法の変遷、特に阪神淡路大震災を契機に制定された「被災区分所有法」の移り変わりについての解説、さらに建物の劣化と居住者の高齢化など管理の問題などが指摘されました。
それらに関連して会員で行政機関所属の建築士より、地震による損壊判定の矛盾点や
建築確認の中間検査と完了検査の重要性、また同じく会員の弁護士より25年前のマンションの被害状況から読み取った問題点とその後の関連法の変遷、さらに今後の課題についての発表がありました。
以下、2日間のその他のプログラムをご紹介します。
◎「タイル剥離事件 タイル貼り施工と剥離の基礎知識」
公益財団法人 住宅リフォーム紛争処理支援センター 木村 英樹氏
◎タイル剥離「和解による解決の留意点」 木津田秀雄氏(建築士・神戸)
◎「マンション共用部分の瑕疵に関する請求の主体についての法的課題」
創価大学法科大学院教授 花房 博文先生
2日目(12月8日)
◎「建築瑕疵紛争における立証責任」その2 村田 淳氏(弁護士・兵庫)
◎「建物の設計者の地盤調査義務について」 斎藤 拓生氏 (弁護士・仙台)
◎「建築士法の一部を改正する法律の中での問題提起」
橋本 光生氏(建築士・京都)
◎判決・和解報告 各ネットより事件取り扱い担当者
講演に聴き入る参加者
阪神淡路震災から25年
懇親会の一コマ
【全国ネット幹事会】
今回の全国大会は来年25年になる阪神淡路大震災もテーマの一つに予定されており、会議に先立ち2名からの報告がありました。まず堺市都市局の石黒一郎氏より、昨年6月18日に発生した大阪北部地震と8月21号の被害を事例に、建物被害の判定において矛盾があり、被害者救済が混乱しているとの報告がありました。次に神戸NETの津久井進弁護士から、阪神淡路大震災以後の建物損壊判定の究極の判断「住める・住めない」の問題点、また震災をきっかけ治してとして借地権の考え方が変わったこと、さらに借り上げ復興住宅の入居期限と人道的な問題などについての報告がありました。
その後の幹事会で、阪神淡路大震災25年がメインテーマに正式決定し、ほか区分所有法や建物のタイル剥落被害もテーマとすることが決まりました。
欠陥住宅110番の様子
欠陥住宅被害全国連絡協議会第46回 札幌大会に出席して
文責 弁護士 村田 淳
今回の大会は、平成30年9月6日北海道胆振東部地震被害報告と課題、建築士の地盤調査義務、建築訴訟における立証責任、サブリース業者、ハウスメーカー等による違法建築被害の報告と問題点、建築士のための改正民法講座、各ネットの判決・和解事例の報告が行われました。
建築士の地盤調査義務の研究報告の際に、「建物」とは、どのような存在なのかを全国の有志とともに議論できたことは有意義であったと思います。平成23年最高裁判決において、建物の基本的安全性を損なう瑕疵については、契約当事者のみではなく、居住者等の生命・身体・財産に関わる問題としました。そうすると、建物は、単に個人の財産としての側面だけではなく、第三者との関係で生命・身体を脅かす危険性のあるもの、すなわち、社会的な価値を有する資産であることは明らかです。
建物に携わる者としては、建物を建築する時点においても、建物が建築された以後においても、建物が社会的な価値のある資産であることを前提として行動しなければならないということを再認識いたしました。
また、今回の大会で議論された改正民法の影響や建築訴訟における立証責任の問題等は、大会での議論のみでその全てが議論し尽くされたものではありません。今後も、これらの問題を継続的に研究し、誰にとっても安全な住環境が確保されるよう精進してまいりたいと思います。
以上
2019年3月23日に開かれたセミナー
“その『外壁タイル落下』、本当に「経年劣化」なのですか?”より